旅日記:シエナ

イタリア最古の銀行
イタリア最古の銀行

◀Milanoへ行った翌日は、Firenzeから一時間程の街Sienaへ。

ここSienaは歴史地区として1995年に世界遺産に登録されました。また現在運営している世界最古の銀行がある事でも有名です。

中世ヨーロッパにおける金融の中心地として栄えました。写真の建物はとても珍しい建物で、ゴシック、バロック、ルネッサンスという時代が異なる3つの建築様式が並んでいます。

またここSienaはかつてFirenzeと肩を並べる芸術の街でした。ゴシック芸術を至る所で見る事が出来ます。

Sienaの目的はここ、大聖堂です。

この大聖堂はFirenzeに対抗して200年かけて作られ、イタリアで最も美しいゴシック様式のファサードを持つとも言われています(※建物の全体構成はロマネスク建築)。

写真の4枚目、柱を近くで撮影したものです。Duomoは遠くから見ると全体のシマシマの色が印象的でしたが近くで見るとこんな風になっているのね!と改めてその精巧な作りに驚きました。

 

後で知りましたが、Sienaのシンボルカラーが白と黒らしいです。

モザイクの写真中央と、最後の写真、これはローマ建国の祖と言われるロムルスとレムスです。

ここSienaはこの弟レムスの子供(アスキオとセニオ兄弟)が建国したと言われています。

レムスはロムルスに殺されますが、伯父に殺されるのを恐れたレムスの子供達はトスカーナに逃げ、そこに国を築いたと言われています。これがSienaの始まりです。

この時二人が乗っていた馬が、それぞれ白の馬と黒の馬だったとか。

シエナはセニオの名前をとって「セナ」と呼ばれましたが、その後現在のシエナになったそうです。

 

ここはモザイクでも有名です(夏期限定で公開されます)。

また、他にも素晴らしい作品が沢山です。

ミケランジェロ作の彫刻像、ドナテッロ作の洗礼者ヨハネ像、ロレンツォ・ギベルティ作の洗礼盤、西側にある誓約の礼拝堂はベルニーニの作です。

ここだけで2時間くらい余裕で居られます。。。

もう一度行きたい所は?と聞かれたら、迷わずここ!と言う程素晴らしい大聖堂でした。

忘れてはならないのがカンポ広場。世界一美しいと言われている貝殻の形をした広場です。

ここは年に2回、Palioと呼ばれる競馬が開催される場所でもあります。

Sienaは17の動物のcontrada(地区)に分かれており、その地区毎で競争します。(街の至る所でこのcontradaの紋章を見る事が出来ます。紋章探しも結構楽しいですよ!私は半分位しか回れませんでしたが・・・)

私がSienaを訪れた2日前が丁度そのPalioだったらしく、それはそれは盛り上がったとか。

 

もともとcontradaは地区の税金を集めたり、治安を守ったり、施設管理をする為に作られた機関だったそうです。

またFirenzeと領地争いをしていたのでcontradaが軍事的な役割もしていたのだとか。それぞれが弓隊、槍隊、騎馬隊等の役割を担い鍛錬を続けたそうです。

contrada間の強いライバル意識は親から子へ引き継がれ、現代のpalioに続いてるそうですよ。

 

因みにこのcontrada、住民の方曰く『夫や妻、恋人は変えられるが、contradaは変えられない。』のだとか!凄いですね!w

毎週食事を共にしているそうですし、絆はとても強そうですね!

 

余談ですが、旅行者の場合は初めて宿泊した(眠った)地区が自分のcontradaになるそうですよ!今回は泊まれませんでしたが、どこに泊まるか迷ってしまいそうですね(^-^)

愛用絵の具w
愛用絵の具w

◀さて、最後にちょっと色にまつわる小ネタ。

この絵の具は左からraw sienna、burnt siennaです。

絵を描く方なら一度は使った事があるのではないでしょうか。

勘のいい方はもうお分かりかもしれませんが、この二色はこのsienaからついた名前(sienna=シェンナ)なんです。

 

シェンナは天然の土を原料とするやや黒味がかった黄褐色の顔料です。人類が最も古くから用いた天然顔料の一種で、洞窟の壁画等にも見られるあの茶色の顔料です。

伊語ではTerra di Siena(シエナの土)と呼ばれ、絵画にも使われて来ました。

中世の時代にシエナ共和国の支配下だった土地から採れた土だったのでこの名がついた様です。

 

因みに焼いていない土を

ローシェンナ(伊語 terra di Siena naturale)といい、

焼いた土を

バーントシェンナ(伊語 terra di Siena bruciata)と言うそうですよ。

 

普段使っている絵の具と、思わぬ所で繋がってビックリでした。

 

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コメント: 2
  • #1

    ひろぬま (金曜日, 07 9月 2012 17:47)

    大都市シエナですね。シエナがヨーロッパの大都市の元になったという話しを聞いたことがあります。
    ルネッサンス以前の都市という感じでしたが,ミケランジェロからベルニーニまであるんですね。
    大聖堂のファザードはすごいですね。巨大な陽明門ですね。ロマネスクからゴチックの建築では,シャルトルなどのフランスのイメージでしたが,装飾ではここですね。実物を見たらすごいでしょうね。
    カンポ広場も実際に行ったらいいでしょうね。周りの建物とその配置に見とれると思います。

  • #2

    nanamonda (土曜日, 08 9月 2012 10:11)

    ☆ひろぬまさま
    Sienaは本当に素晴らしい場所でした!
    どこも見応えがあり、日帰りにしてしまったのを後悔しました・・・。
    もしここに行く事がありましたら、泊まりをオススメ致します(>_<)

    シャルトル!懐かしいです。
    大学時代シャルトルにも行ったのですが、人の手でここまでのものを作り上げる事が出来るのか・・・と感動致しました。独特な形も印象深いです。
    今回は行けませんでしたが、また行きたくなりました(^-^)